銀雷リンタの魔界塔士SaGaとかのツッコミプレイ日記

魔界塔士SaGaが語り掛ける哲学を考察しようと思ったらそんな才能がなかったので二次創作ツッコミ日記になってしまった。

ビーナスとゆくSa・Gaツッコミ冒険日記⑥ 天国と地獄

塔の扉の封印を解いて、中に入ったビーナス一行。

塔の中へ入る。さっそく階段がある。

ビーナス「うぅっ……カビ臭い。
 ジメジメしてるし……薄暗いし」

先生「まぁずっと封印されていて誰も入ら
 なかっただろうからな……」

アポロン「塔の中にぴったりのBGMでも流すか…」

禁断の塔

禁断の塔

  • 植松 伸夫
  • テレビゲーム
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

大佐「軽快すぎるだろ!」

ビーナス「何もねぇし……」

先生「初期ロム版だと、ここでクリスタルを
 使うと謎の人間たちが出現するんだがなぁ」

大佐「ワケのわからない情報入れるな!」

アポロン「明かりもないのに明るい…」

先生「何らかの魔法だろうな。どんなトラップ
 があるかわからない…気をつけて進もう」

大佐「………特に何のトラップもなかった……」

そして、こんな閉鎖空間なのに、モンスターが出てくる。

ビーナス「へッ、蛇!!キャーーーーッ!!」

バキッ!!ドカッ!!グチャ!!

アポロン「恐いんじゃなくて、嫌いなだけか…」

大佐「アオダイショウってそんなに
 青くないだろ……」

大佐「普通にお化けが出てくる~~!
 こえぇ~~~」

先生「塔内で死んだ冒険者たちだろう」

先生「先日の私と同じ種族じゃないか。
 しかし私は今や鬼を越える
 悪鬼(オーガ)だ!」

ビーナス「ドヤ顔ッ!」

先生「この辺で一番気をつけなければ
 いけないのはグリーンスライムだ。
 『とかす』は必中のうえ、防ぐ手段がない!
 『とかす』は魔力が高いほど大ダメージ
 を受けるぞ!」

ビーナス「ぐほっ……手痛いダメージね…!」

大佐「ぐはっ!!…ん?ホントだ~ッ!
 魔力ゼロのオレの方がダメージが低い!」

ビーナス「なんでよッ!魔力高いわたしの
 ほうが大ダメージ受けるなんて!
 理不尽よ!魔力は魔法防御力は関係ないの?」

先生「このゲームでは魔力が高ければ
 魔法防御も高いというワケではないんだ」

大佐「どうでもいいが、こいつらはどうやって
 この塔の中で生きてんだ?」

先生「明かりもそうだが、何らかの魔法だろう。
 塔の中自体が超常的な力が働いているようだ」

そしてすぐにその塔の魔力の一端を見ることになる。

2階には何もなかったが、3階には……

南国が広がっていた!

大佐「うおぉぉ~~~!!」

ビーナス「何よ!ここ!!」

アポロン「どういうことだ!?ここも地上だ
 オレたちの世界は下にあるはずなのに……
 地面の下にあるということか?
 まるで別世界だ!」

ビーナス「先生、どういうこと?」

先生「この塔を作った超常的な存在の魔力の
 一端だろう。塔の扉は別世界へとつながって
 いたのだ。我々が住んでいた大陸世界の他にも
 別時空にいろいろな世界があるのだろう。
 つまり、塔とはこれらの世界を
 結んでいる媒体にすぎないということだ。
 この世界の地面を掘っていても
 我々の世界に行けるわけではない。
 完全に因果関係が絶たれた別世界なのだ!
 ……ウガ……」

アポロン「なるほど……
 でもオーガの姿で考察されても説得力ねぇな」

大佐「辛気くせぇ塔の中にはウンザリ
 していたから、ここでノンビリ…いや
 リフレッシュしようぜぇ!」

先生「ここは回復の泉だ」

 

ビーナス「濡れちゃうじゃない」

大佐「……え?」

しばらく歩くと町がある。

……が、家などはなく、野外で、
人々がダラダラしていた。

大佐「ここが楽園!?」

アポロン「なるほど、伝説は本当だったのだ。
 塔は楽園に通じていると…」

大佐「オレたちの冒険はここで終わりか?
 ここで自由に暮らせばいいのか?」

先生「まぁ、彼らに話を聞いてみよう」

ビーナス「………」

ビーナス「……ふざけんじゃないわよ!!
 ここが楽園だって?
 与えられたモノだけで満足するヤツ……
 怠けることが幸せだと思うヤツ……
 そんな連中には楽園だろうけどさ!!」

アポロン「もっともだ。我々の夢は新世界の神に
 なることだぞ。
 食べてクソして寝るだけの人生
 そんな知性もないような動物と同じような
 生活はまっぴらごめんだ。」

大佐「お……おう。オレは別に新世界の神になんぞ
 なりたくないが、後半は同意だ」

先生「わたしも教師になることが夢だからな。
 まぁ、個人の価値観だウガ。
 ここが楽園だと思えばここに住めばいい。
 それよりも……ここは……冒険者をここで
 自堕落な生活に陥れる罠ではないかもしれん
 と疑ってしまうな………ウガ」

アポロン「もしそうであれば、この楽園を
 作ったという神は人間を堕落させ、成長を
 妨害させようとしていることになるな…」

ビーナス「神とは人間の敵なの?
 それとも人間を試しているの?」

先生「さてな……。
 この冒険の末にその答えが待っているかも
 しれんなウガ」

アポロン「まぁ私はこの世界の神がたとえ
 意地悪でも、極悪でも、冷酷でもかまわん。
 わたしが新の…」

先生「チャット、教えてくれ。なぜ神はこの楽園
 を作ったのだろうか?……ウガ」

チャット『楽園について、そこでの生活が本当に「楽園」と呼ぶにふさわしいものかどうかは、その人の価値観によって異なるでしょう。人間は働かずに食べて寝ているだけでいいという状態が、本当に幸福なのかどうかは議論の余地があります。

ただし、「魔界塔士SaGa」の世界観では、楽園が神様によって作られた理由が説明されていることがあります。例えば、神様が人間を守るために楽園を作ったという解釈もできます。あるいは、神様が人間に楽園を与えたことで、人間がより高次の目的や価値を追求するために自由に時間を使えるようになったとも解釈できます。

しかしながら、ゲームのストーリーの展開によっては、楽園が現実から隔絶されていることや、その維持に必要なエネルギーが人間の苦しみや犠牲を伴うことが示唆されることもあります。そのため、楽園が本当に「楽園」なのか、それが神様の本当の意図なのか、プレイヤー自身が考えて判断する必要があります。』

アポロン「やはり我々がこの世界に満足
 できなければ、塔を進めってことだな」

ビーナス「じゃあ、早速出発しましょう」

大佐「え~~っ、急ぐ旅でもないし、
 少しはゆっくりしようぜ!」

ビーナス「まぁ……そうね」

ビーナスたちは泉に浸かり、つかの間の休息を楽しんだ。

ビーナス「こっちに来たら殺すからね!」

大佐「えぇ~~!?一緒に入ろうと思ったのにぃ~」

アポロン「何で一緒に入れると思ったんだよ……」

先生「うおぉぉ~気持ちいいぜぇウガ!」

アポロン「先生、ネコ女のままだったら、
 ビーナスの方へ行けたのにな」

先生「人間の女の裸には興味ない。
 オーガのメスなら大歓迎だがな!」

大佐「おい、アポロン、さっきの若い
 娘さんを誘おうぜ」

アポロン「野生動物と同じような女など
 ……興味はない。どうせそのへんでクソ
 ションべンしてるんだろうぜ……」

大佐「そう言われると萎えるな……」

アポロン「ほら……見てみろ、あそこに女が
 いるだろ普通に用を足しているだろ」

大佐「……」

先生「何もかも与えられ、怠惰な生活をして
 いると創造力、知識欲、向上心……それらは
 もちろん恥じらいすらも失うのかもな。
 確かに危機感のない獣と同じかもしれん。
 あと十数年経てば、言葉も失い、
 知能も低下していくのだろう……」

大佐「よく考えれば恐ろしい世界だな……ここ」

一方……

ビーナス「はぁ……たまにはバカどもと
 離れられるのもいいわね~」

しばらくすると、そこに女性がやってくる。

ビーナス「……なんだ、女か……。
 てっきり大佐がのぞきに来たのかと……」

ビーナス「……ん?……
 ギャ~~~~~ッ!!

大佐「どうした!ビーナス!
 叫び声が聞こえたぞ!
 モンスターでも襲ってきたのか!」

ビーナス「あの女が私の目の前で
 オシッコしたのよ!オエ~~!
 信じられない!!」

アポロン「な?言ったろ。
 この世界の住人は獣と
 同じなんだ!」

先生「何一つ不自由のない生活……というのも
 考えさせられる話だ。まぁ飢えも
 病気もないという
 条件が保証されているなら
 獣となってもいいと思う人も多いかも知れない
 あくまで価値観の問題だな」

ビーナス「ええ……」

アポロン「さぁ服を着て準備して行くか」

ビーナス「ええ……って普通に
 会話しているけど
 私たち全裸じゃない?」

大佐「まぁ、気にするな」

ビーナス「ふざけんな!!」

一行は楽園をあとにした。

さて、上の4階から外へ出てみると………

地獄が広がっていた……。

大佐「うげぇ、なんじゃここは」

ビーナス「美しくない場所ね」

アポロン「悪魔もいるな」

大佐「ここに悪魔(ガーゴイル)は5匹
 いるんだけど、こいつらのことじゃないのか?」

大佐「うっひょ~!女のガーゴイルかぁ!
 ………別にいいや……」

先生「『この世界』ってのは、4階のこの
 地獄じゃなくて、塔がつないでいる
 全ての世界ってことだろうな」

大佐「え?……誰に?」

先生「3階の楽園を作った神だろうか?
 楽園の住人は、ここでの修行?拷問?
 …それに耐えた者たちだったのか?」

アポロン「こんな苦行をしないと
 楽園に行けないなんてどうかしている。
 わたしが新世界の神になったらそんな
 ムダなことはさせないのだが……」

大佐「本当だ!!……でも地獄は勘弁。
 さっさと出ようぜ」

先生「それにしても……天国の下に地獄っての
 はよくあるが…、天国の上の地獄ってのは
 なかなか見たことがないな。
 こりゃどういうことだ?チャット」

チャット『まず、地獄を下に置くことで、従来の「天国=上」「地獄=下」という価値観を覆すことができます。これは、世界に存在する価値観やイデオロギーが、必ずしも普遍的なものではなく、個々人の解釈や文脈によって異なることを示していると言えます。

また、楽園が地獄の下にあるということは、楽園が地獄に繋がっていることを示唆しています。つまり、人間の幸福や喜びが、一方的に存在するわけではなく、それらは悲しみや苦痛などの反対側と密接に結びついているということを意味しています。このことは、人生において良いことばかりが起こるわけではなく、悪いことも含まれることを示しています。

さらに、楽園が地獄の下にあることで、人間が幸福を得るためには、必ずしも苦痛や苦難を避けることができないことを示しています。つまり、人間は苦痛や苦難を克服し、それを乗り越えることで、真の幸福を手に入れることができるということを意味しています。

以上のように、「魔界塔士SaGa」の設定には、人間の幸福や価値観についての深い哲学的意味が込められていると考えられます。楽園が地獄の下に位置することで、従来の価値観を覆し、人間の幸福や喜びが悲しみや苦痛と密接に結びついていることを示し、人間が幸福を手に入れるためには、苦痛や苦難を乗り越えることが必要であることを示しています。

また、楽園が地獄の下にあるというのは、物事が表裏一体であることを示唆しています。すなわち、何かが存在すると同時に、その対極も存在するということです。例えば、成功と失敗、幸福と不幸、善と悪などがあります。そして、このような二元論の世界観は、現代社会でもよく見られます。

現代社会には、成功や幸福を求める文化があります。社会的地位や富、名声や人気など、多くの人々がこれらのものを手に入れることを目指して努力しています。しかし、その一方で、現代社会には多くの矛盾が存在します。例えば、豊かな国でも貧困や格差があり、先進国でも環境問題や社会問題が深刻化しています。

こうした現代社会の矛盾は、魔界塔士SaGaの設定における楽園と地獄の関係に通じるものがあります。成功や幸福を追い求める一方で、その反対側には失敗や不幸が存在する。豊かな社会であっても、貧困や格差が存在する。こうした矛盾が積み重なり、社会全体が不安定になっていくことがあります。

また、魔界塔士SaGaの設定における楽園と地獄の関係は、現代社会における「勝者と敗者」の問題にも通じます。現代社会では、成功や幸福を手に入れることができた人々が「勝者」とされ、その反対側の人々が「敗者」とされることがあります。しかし、そのような社会で、敗者たちは極端な貧困や社会的孤立に陥ってしまうことがあります。

このように、魔界塔士SaGaの設定における楽園と地獄の関係は、現代社会が抱える矛盾や問題を浮き彫りにするものと言えます。成功や幸福を求める一方で、その対極も存在すること、そして、勝者と敗者の問題が生じることを示唆しています。』

ビーナス「……深いわね……」

大佐「子ども向けのレトロゲーム
 この哲学とは……」

ビーナス「れと……?…どういうこと?」

ビーナス「じゃあ、やめればいいのに……」

先生「やめるのは自由なはずなのに……
 やめたくてもやめることができない…か、
 これをどう見る?チャット」

チャット『確かに、魔界塔士SaGaの地獄には、現代社会においても見られるような、盲目的な信仰や拷問に耐えることが報われるという考え方が描かれています。しかし、現代社会においては、そういった考え方や状況が受け入れられるべきではありません。

現代社会においても、報われると信じて苦しい状況に耐えることはあるかもしれませんが、それは個人の自由意志であるべきです。一方で、強制的に苦しい状況に追い込まれたり、逃げることができない状況に陥っている人たちが多く存在します。例えば、貧困や社会的弱者、労働条件の悪い職場などが該当します。

魔界塔士SaGaの地獄に描かれているように、「苦しくても逃げることはできない」という状況に陥ることは、現代社会においてもまだまだあります。そのような状況にある人々に対して、我々は彼らの声に耳を傾け、その問題に取り組むことが必要です。

また、魔界塔士SaGaの地獄で描かれているように、「苦しい状況に耐えることが報われる」という考え方は、現代社会においても問題視されるべきです。労働者の過労死やストレスによる精神疾患、人間関係の悩みなど、苦しい状況を耐えることが健康に悪影響を与えることが明らかになっています。

現代社会において、魔界塔士SaGaの地獄のような状況をなくし、人々がより豊かで幸せな生活を送れるようにするには、社会全体の見直しが必要です。働き方改革社会保障制度の充実、格差の是正など、様々な方面から取り組むことが求められます。』

先生「真面目に働いていれば報われるとか、
 苦しくて心も体も悲鳴をあげているのに
 やめることを選択できない社畜とか……
 昭和の時代から今に至るまで何も
 変わってはいない…」

ビーナス「しゃちく…?しょうわ…?何のことよ!」

アポロン「それにしても……自らの宝
 を守るために戦争ばかり起こしている王
 楽園で自堕落に生きている獣のような
 人間に、無意味な拷問に耐え明日を
 盲信している人間……なんという
 いびつな世界なんだ。
 とてもまともな神が作った世界とは思えん。
 わたしが新世界の神になったr(ry」

ビーナス「まったくね……。私はとにかく
 キレイな国を作りたいわ。心がキレイな私が
 作った国はさぞかしキレイな国に
 なるでしょうね」

大佐「は……?」

なんとも言えない淅瀝たる蕭殺たる落莫たる思いで、ビーナス一行は地獄をあとにした。

さて5階で彼らを待ち受ける者とは……?

 

つづく

ponitaprintap.hateblo.jp